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☆リカバリーキャラバンフェイスブックもあわせてみてくださいね

https://www.facebook.com/recoverycaravanTai

福祉新聞でリカバリーキャラバン隊の冊子「精神疾患を持つ方が働くための合理的配慮の会話帳でっかい輪」を取り上げていただきました。

多くの皆様のおかげでいい冊子になりました。心より感謝いたします。

精神障害者が働くために必要な合理的配慮とは

http://www.fukushishimbun.co.jp/topics/10061

キャラバン隊がNHKハートネットTVブログの取材を受けています

仕事とともに、このキャラバン隊の活動が大きな生きがいとなっていると紹介されています。

http://www.nhk.or.jp/hearttv-blog/3400/223531.html

2012年11月27日火曜日

平成25年1月から3月の日程調整を開始しました

平成25年1月から3月の日程調整を開始しました


精神障害者のリカバリー・就労支援(IPS)研修等について、平成24年1月から3月の日程調整を開始させていただきます。予算や日程の都合から、全てのご要望にお答えできないことも考えられますが、この機会にぜひ希望をご連絡ください。また、職場内でこの研修等を説明するための資料についても、必要に応じて提供させていただきます。地域で理念を共有することは、連携を円滑にすることにとても役立ちます。
なお、費用について私どもで助成を受けていますが、活用できる財源がありましたら、ご協力いただけると助かります。

なお、ご連絡は"リカバリーキャラバン隊" アドレス
recoverycaravan@gmail.com
にいただきますよう、お願い申し上げます。

【以下参考にしてください】
☆ あなたの地域で精神障害者の就労支援研修(IPS研修)を行ないませんか?
http://recoverycaravan.blogspot.jp/2010/11/blog-post_27.html

☆ リカバリーの学校のご案内
http://recoverycaravan.blogspot.jp/2010/05/blog-post.html

2012年11月21日水曜日

日本のIPSについて 1.IPSに対する世界的な評価

日本のIPSについて

1.IPSに対する世界的な評価
精神障害者の就労支援についてはIPSという一定の支援原則に沿った方法が世界中の研究で就職率、定着率で有効性を示し、一番効果がある認識されています。支援原則は68原則として示され、これに沿った支援とそうでないものを比較し有効性が検証されています。これについては、職業総合センターがIPSに関する論文を見渡して整理してまとめた「医療機関における精神障害者の就労支援の実態についての調査研究」報告書が一番詳しく、かつ無料で公開されているものとなります。


IPSの原則、支援の中身については、ワーキングライフという本で初めて日本に紹介されました。IPSが生まれたアメリカでは、支援方法の忠実度:フィデリティも開発され、一定の原則以上に支援のコツが細かく規定されるに至っています。ワーキングライフにおいても、その一部(あるいは試み)は紹介され、どのような実践が適切なのかについてイメージできるようになっています。国内では私たちの「働くこととリカバリー、IPSハンドブック」が唯一の出版物として、具体的な様子を紹介しています。

なお、わが国ではIPSと一体的に紹介されることも多いですACTは、理念に共通点もあり相性はいいかもしれませんが、ルーツもサービス提供チームも全く異なる別のものです。ワーキングライフでも、そのことがうかがえる記述があります。IPSは保護された環境にはない社会が持つ「場の力」を知っています。患者ではなく働く者として(as a worker)生活することがリカバリーにもたらす作用を経験的に活用したリハビリテーションです。髪を切るのは病室でなく床屋、排泄はポータブル便器でなくトイレであり、働くのはデイケアや作業所でなく職場であるべきだと考えます。同じように医療処置を受けるのは自宅でなく病院が適切だと考えます。強い症状が出たときや薬の変更時など高度な医療的処置や観察が必要な場合、自宅を治療の場としない入院という社会資源を選択肢として提供しています。入院期間が長引くと希望の喪失や体力低下、地域との関係の断絶など副作用も出かねないので慎重に検討しますが、入院しながら就業を継続するためのIPSを提供することもあります。これは日本ではIPSと一体的に紹介されることが多いACTとの違いでしょう。

2012年11月20日火曜日

精神疾患があっても働きたいあなたへ

精神疾患があっても働きたいあなたへ

働きたい気持ちを大切にしましょう。
働きたいというのは、とても自然な気持ちで素敵なことです。この気持ちが充実した自分らしい時間を取り戻す手がかりとなり、やがては症状を軽くする可能性があります。初めからあきらめていては、始まりません。働きたいと思ったら、それを応援してくれるところへ相談しましょう。働くことをあきらめるよう説得する人もいるかもしれませんが、働きたいという気持ちを大切にしてください。

8年間の入院を経験し通い始めたデイケアに「働きたい人は、ハローワークに一緒にいきます」と書かれたポスターがはりだされていました。食い入るように見ていたら「働いてみませか?」と声をかけられました。そして「よし、自分の人生は自分で決めよう」と思い、「お願いします」と言いました。今は政治関係の仕事に就いています。
(統合失調症、40代、男性)

働くことはいいことです。
働けば収入が手に入ります。体を動かし、生活リズムが整います。でもこれ以外にもいいことがあるようです。

􀂀 仕事に没頭し、病気を忘れる時間が持てる。「患者」とは違う自分が持てる。

􀂀 自分の人生を自分で歩いていると思える。

􀂀 目標や目的、生きがいや楽しみができる。

􀂀 役割ができ、人から期待される喜びを感じられる。何かをやり遂げ、乗り越える達成感を味わえる。

􀂀 自分を信じてくれる仲間、尊敬して真似したくなるような人物に出会える。

精神疾患がありながらも充実した人生を過ごしている方たちがいます。こういう方たちにもこれらは当てはまることです。
病気が治ってきたから働くのでなく、症状があるからこそ働いて、充実した時間を取り戻す必要があります。
病気だからこそ、働きましょう。

主治医にも支えられ、仕事を始めて3 ヶ月が過ぎた頃、職場で挨拶ができるようになり、仕事のスピードが速くなりました。睡眠薬なしで眠れるようになり、仕事でも人間的にも自信が持てるようになっていました。
(躁うつ病、30 代、男性)

適切な援助があれば働けます。
研究から次のような援助があると、精神疾患があっても働けることが分かってきました。

どんな人がいい?

􀂈 あなたの話をよく聞き、気持ちを大切にしてくれる人

􀂈 みんな一緒のプログラムではなく、1人ひとりマンツーマンで応援してくれる人

􀂈 あなたのいいところ、やりたいことや好きなことをよく見ている人

􀂈 何事も前向きに考え、あなたのやる気を引き出してくれる人

􀂈 あなたの親、医者、会社や市役所の人、作業所の職員さんや保健師さんなどと連絡し合ってくれる人

今、私は仕事をしているおかげで生活がとても充実して、よき友に恵まれ幸福な日々を送っています。働くと生活のリズムが取りやすくなるし、人と交わっていないと治りづらいと思います。薬を服用しているので仕事を覚えるまで多少時間がかかりますが、絶対に仕事はできるようになります。
(統合失調症、50代、男性)

どんなことをしてくれる?

􀂈 向いている仕事を一緒に考え、ハローワークなどへ同行して就職活動を手伝う人

􀂈 仕事場にも来て仕事の仕方を一緒に考え、同僚や上司と話してくれる人

􀂈 就職した後も働き続けられるよう相談にのってくれる人

􀂈 働くために専門学校に行ったり、資格を取るための勉強も手伝ってくれる人

病気のことは?

􀂈 精神疾患のこと、病気だと苦手なことや薬の副作用に詳しく、必要な配慮が分かる人

􀂈 体調を管理するサポートが上手な人

􀂈 医者も働くことを応援してくれるように連絡してくれる人

私は、2年ほどある企業にて仕事をしていますが、私にとっては本当のリカバリーとはまだ言えず、時間が必要だとも思っています。今、私は健常者にも勝る何かを得たいという気持ちでいっぱいな状態です。とりあえず今年は仕事の時間を増やし、執筆だけでも続けたいものです。
(統合失調症、40代、女性)

相談してみよう
「働きたい」と思ったら、次のようなところで相談してみることです。このパンフレットを持っていき、必要な援助を求めましょう。

􀂈 地域の障害者就業・生活支援センター
障害がある方が働けるよう、生活面の支援も一緒にしてくれる専門機関です。

􀂈 かかっている病院の医療相談室
色々な相談はもちろん、地域で利用できるサービスを紹介してくれます。

􀂈 住んでいる市役所の障害福祉課
障害手帳や自立支援医療の手続き以外にも、利用できるサービスを紹介してくれます。

病気を持っている方が頑張っている話を聞いて、自分でも仕事ができるのではと思い、チャレンジすることにしました。医師には「働くにはまだ早い」と言われデイケアを勧められましたが、お試し参加でやめることにしました。今は病気をオープンにして、1日5時間、週5日の軽作業をしています。仕事は一番充実した時間で、自分が元気になる要素があります。
(統合失調症、20代、男性)




PS について
精神障害者は対人関係が苦手でストレスに弱い、不器用だから色々訓練してからでなければ働けないと考えられ、訓練重視の就労支援が多く提供されてきました。しかし、職探しをいち早く行い、実際に働く職場に合わせて支援した方がずっとうまくいくことが分かりました。さらに本人の希望や気持ち、そして長所を尊重し、医療と一体となると、統計的により高い就職率や定着率が確認できました。この方法をIndividual Placement and Support の頭文字を取り、IPS(アイ・ピー・エス)と呼びます。日本でもこうした援助が具体的に紹介されています。IPS は精神疾患がありながらも充実した人生を歩めることを目指して、就労などの社会参加支援を行ないます。


IPS の7原則

1. 働きたいと希望するすべての方を対象とする

2. 就労支援と医療保健サービスを一体的に提供

3. 職探しは本人の希望、興味、好みに基づく

4. 福祉的就労でなく短時間でも一般就労を目指す

5. 本人が希望すれば迅速に職探しをする

6. 生活保護や年金など経済給付の相談も受ける

7. 就職後のサポートも行う

くわしく知りたい方は

􀂾 働くこととリカバリー‐IPS ハンドブック
(出版:クリエイツかもがわ)

􀂾 リカバリーキャラバン隊ホームページ
http://recoverycaravan.blogspot.com/

発行・作成:リカバリーキャラバン隊 平成232
 

日本のIPSについて はじめに

日本のIPSについて
中原さとみ、飯野雄治
 
はじめに
私たちは2010年度、2011年度に続き、2012年度日本精神障害者リハビリテーション学会の就労支援部門で口頭発表し、日本でのIPS(Individual Placement and Support:個別職業紹介とサポート)の可能性、特に人材育成に関する諸研究について紹介してきました。学会では就労支援の未来はIPSを想定しているようで、IPS援者の人材育成に関する発表を行った2010年度、2012年度は、最後の締めくくりを担わせていただいているところです。
IPSに関して興味を持つ方も増え熱心な質問も多いのですが、学会では5分という制限時間でのやり取りのため、丁寧な返答、解説ができないことが残念でしかたありません。また、論文や出版物においても日本におけるIPSの可能性についてページを割くことが難しいため、ここに日本でのIPSの現状と可能性について、なるべく分かりやすく簡単に解説させていただくこととしました。

精神障害者は対人関係が苦手でストレスに弱く、不器用だから色々訓練してからでなければ働けないと考えられ、訓練重視の就労支援が多く提供されてきました。しかし、職探しをいち早く行い、実際に働く職場に合わせて支援した方がずっとうまくいくことが分かりました。
さらに本人の希望や気持ち、そして長所を尊重し、医療と一体となると、統計的により高い就職率や定着率が確認できました。この方法をIndividual Placement and Supportの頭文字を取り、IPS(アイ・ピー・エス)と呼びます。日本でもこうした援助が具体的に紹介されています。IPSは精神疾患がありながらも充実した人生を歩めることを目指して、就労などの社会参加支援を行ないます。

IPSの7原則
1. 働きたいと希望するすべての方を対象とする
2. 就労支援と医療保健サービスを一体的に提供
3. 職探しは本人の希望、興味、好みに基づく
4. 福祉的就労でなく短時間でも一般就労を目指す
5. 本人が希望すれば迅速に職探しをする
6. 生活保護や年金など経済給付の相談も受ける
7. 就職後のサポートも行う

2012年11月3日土曜日

第2回IPS全国研修会(東京都文京区)

第2回IPS全国研修会
CCC(Chance Change Challenge)
 ~変わる障がい者雇用の環境とIPSの可能性~

【日時】
12
22日(土)
10:00
17:45  (9:30受付開始)

【メイン会場】
東京大学医学部本館 (〒113-0033 東京都文京区本郷7-3-1
アクセス  http://www.u-tokyo.ac.jp/index_j.html

【参加費】
当日参加 4,000円(当事者・家族・学生は2,000円)

【内容】
基調講演「これからの就労支援の潮流」
シンポジウム:CCC(Chance Change Challenge)IPSから始まる希望の可能性を信じて
ワークショップ「はじめましてIPS」
事例検討等分科会

【主催】 NPO法人地域精神保健福祉機構(コンボ)・日本IPSアソシエーション

【問い合わせ先】
E
mail : jipsa2012@gmail.com

案内チラシはこちらから

「障害者差別禁止法」に関してパブリックコメントに意見提出しました

「障害者差別禁止法」(障害を理由とする差別を禁止する法制)の法案化にあたって、内閣府のパブリックコメント(意見公募)に意見提出しました。

パブリックコメントは115日締切です。

リカバリーキャラバン隊も次の意見を出しました。

まず、合理的配慮を求めることに伴い不利益ないし不利な立場が発生すること、あるいは発生しうることに対する手当を十分に盛り込むことを求める。合理的配慮はまさに堂々と求めるべき権利であるが、配慮を求めることで受ける不利益的な待遇はもちろん、当事者に「申し訳ない」という心理的負担が生じうることを想定し、これを払拭するための技術的な工夫を配することについて明確に記す必要性があることを指摘する。配慮を求めることで損をするのが目に見える場合、配慮は実際には求められず、現象として配慮は必要とされていないものとして表象しかねない。この新法が機能するために必要な土台として、配慮を求めることにより不利益が生じない仕掛けを組み込む必要がある。

つぎに、障害者に対する差別は、実は障害者を援助することを生業とする専門家によって行われることが多いことに対して、意識して明文化するべきであることを提案する。日々、障害者に接する専門職による虐待が多く指摘されているが、これは言語道断としても、支援者による温情的態度はパターナリズムとよばれ、障害者の可能性を奪ってきたことが歴史的に検証されている。例えば「障害があるから子どもを産むのは難しい。その子どもは不幸だ。」という価値観に基づいて、実に多くの保健福祉領域の専門家が援助と称した人権侵害を侵しているが、「サービス・役務の提供」として一般論としてこれを述べるにとどまることなく、このことを敢えて指摘する必要がある。

さいごに、報告書も指摘しているように、紛争解決は当事者同士の話し合いによることが望まれる。そのためには健常者や支援者が差別禁止を単なる道徳的行為規範としてこれをとらえるのでなく、成熟し安心と安全を教授できる社会の仕組みとして、これを内発的に理解する必要があると考える。障害者の権利あるいは人権という古くからありながら成果に限界を見ているキーワードに頼るのでなく、報告書24頁に記される「合理的配慮が求められる根拠」のように、国民の全てに関係ある現象としてこれを説明することに努める責務にも触れることを提案する。

リカバリーキャラバン隊 飯野雄治、中原さとみ